「介護支援専門員として18年、そして相続診断士としての視点から、親の介護とお金、そして避けて通れない相続の準備について実体験を交えて解説します。」

親のことは、心配だけど…。
まだ、子どものこともあるし、仕事もあるから親には頑張ってもらわないと…。
「うちの親はまだ大丈夫」と思っていませんか?
でも、もし最近こんな様子が見られたら、それは体と心が発しているSOSかもしれません。
- 昔に比べて、親の様子に「違和感」がある?
- 薬の飲み忘れや飲み間違いが増えてない?
- 「面倒くさい」「何もしたくない」が口癖になってない?
一つでもチェックが入ったなら、もう「遠くから見守る」だけの時期は終わりです。
介護はある日突然やってきます。
「何から手をつければいいかわからない」
「お金のことが心配…」
そんな不安を解消するために、25年の介護業界の経験と相続診断士としての知識を活かし「親の介護始まる前に知っておくべき5つのこと」のことをまとめました。
日本では、65歳から74歳までを前期高齢者。
75歳以上は、後期高齢者と呼ばれています。
〈その1〉親の介護が心配になったら、やっておきたいこと
定期的な訪問をし、衣食住を確認する。
【確認項目】
- 冷蔵庫に同じ商品がはいっていないか?
- 食事はちゃんとしているのか?
- お風呂に入っているか?
- 着替えはしているのか?
- 部屋の片づけはしているのか?
【段階的な訪問頻度の増加】
- 月に1回の訪問から始めて、心配だったら週1回の訪問をしていく。
【役割分担と関係構築】
- 担当制にして役割分担をしておく。
- 外食に行き、閉じこもりな生活を防止する。
- 親と関係を築く。

高齢者は自分で生活できてると思っています。
なので確認はさりげなく行うのがコツです!
親の住まいの担当地域包括支援センターも確認してイベントにも参加していきましょう。
〈その2〉介護費用を知っておこう!
介護保険の介護度は、要支援1,2。
要介護1,2,3,4,5となっています。
↓下記の表は、要支援1~要介護5の支給限度額(1ヶ月あたり)
| 介護度 | 月額支給限度額 | 1割負担額 | 2割負担額 | 3割負担額 |
| 要支援1 | 50,320円 | 5,032円 | 10,064円 | 15,096円 |
| 要支援2 | 105,310円 | 10,531円 | 21,062円 | 31,593円 |
| 要介護1 | 167,650円 | 16,765円 | 33,530円 | 50,295円 |
| 要介護2 | 197,050円 | 19,705円 | 39,410円 | 59,115円 |
| 要介護3 | 270,480円 | 27,048円 | 54,096円 | 81,144円 |
| 要介護4 | 309,380円 | 30,938円 | 61,876円 | 92,814円 |
| 要介護5 | 362,170円 | 36,217円 | 72,434円 | 108,651円 |
- 介護によって料金が違うこと。
- 本人の収入に応じて1割~3割負担があります。

老後のお金の計算に役立ててください
ちなみに担当ケアマネジャーは、この金額を目安にして介護サービスの調整をします。
サービス利用をしないのに認定をとっている人がいます。

実はサービスを利用しない人は認定をとらなくていい。
使うようになって認定を取っていいと思っています。
理由
- 介護によって使えるサービスが違うから。
- 認定をとっていざ、使うときに調査のし直しをします。
- 認定調査の自己負担がありませんが、税金はかかっています。必要な時に調査をすることをお勧めします。
〈その3〉老後資金2,000万円は本当?

そもそもなぜ、老後2,000万円て言われたのか?
これは金融庁が2019年6月に発表した報告書「高齢社会における資産形成・管理」に基づいています。
【計算の根拠】
この報告書では、以下のように計算されています。
対象:標準的な高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上)
| 項目 | 金額 |
| 月額支出 | 約26万円 |
| 月額収入(年金) | 約21万円 |
| 月額不足額 | 約5~5.5万円 |
| 年間不足額 | 約60~66万円 |
| 30年間の不足額 | 約1,800~2,000万円 |
月額不足分5.5万円×12ヶ月×30年=1,980万円~2,000万円と言われています。
ただ、これは「平均値」です。
住宅ローンや家賃を払っていたら、月額26万円を超えるかもしれません。
住宅ローンがなくなったら、月額16万円で済むかもしれません。
また、この計算には介護、医療費用が含まれていません。
そして今後の介護、医療の変動。
年金制度の変化でも変わります。
重要なのは、「自分たちの家族にとって、どれくらいの老後資金が必要か」を事前に計算していくことです。

上記の表に自分たちの金額を入れて計算してみましょう。
〈その4〉介護状態になる前に本人と話しておくべきこと

介護が必要になったら、面倒をみるからね。
その代わり、デイサービスとショートステイは行ってね。

なんで、家がいい。
じ~っと横にして置いといてよ。
こうなってしまうと病名も本人に聞けませんでした。

そうならないようにリストを作成しました。
本人に確認しておいた方がいいこと
| 自宅か施設か? | 車いすになっても自宅がいいのか?ちょっと踏み込んできいてみましょう。 |
| 病名 | 複数の疾患を抱えていることもあるので確認しておきましょう。 |
| 病院名 | 複数の病院の場合は一ヶ所にできないか医師に相談をしましょう。 |
| 服薬 | お薬手帳の活用をしましょう。かかりつけ薬局も決めていきましょう。 |
| 通院日 | 状態によっては往診ができるか医師に確認しておきましょう。 |
| 余命の告知・延命治療・臓器提供・検体 | 聞ける範囲で聞く。無理には聞かない。 |
| お金の管理 | 入院費の支払い、光熱費の支払い等、できなくなった時の管理はどうするか聞いておきましょう。 |
| 生命保険の加入 | 本人以外でも手続きできるか?できない時は家族が対応できるようにしていきましょう。 |
| 連絡した方がいい友達、しない友達 | 定期的な習い事や約束などがないか、確認しておきましょう。 |
いきなり、お金のことを言ってしまうと親子間の関係が悪くなることがあります。

聞きづらい時は、エンディングノートの活用をして親だけではなく子も一緒に書いていきましょう。
〈その5〉話し合った内容、記録は家族全員で共有して役割分担をしておくこと

本人と確認した内容をもとに家族と共有をしていきましょう。
【家族会議】
- 開催場所、開催時間、参加者。
- お子さんは全員参加で会議をしていきましょう。

遠方の人がいたら、オンラインも可にしておくといいですね。
【共有内容】
| 共有内容 | 本人希望 | 家族希望 | 役割分担 |
| 在宅か施設か? | 介護か医療責任者が担うようにする | ||
| 医療方針(病名・病院・服薬・通院等、医療関係) | 医療責任者が行う | ||
| 介護方針(ケアマネジャー、介護サービス等、介護関係) | 介護責任者が行う | ||
| お金・資産状況 ★銀行口座、暗証番号 ★不動産名義、権利書 | 金銭管理者が行う | ||
| 葬儀・埋葬の希望 | 金銭管理者が行う | ||
| 相続に関すること | 金銭管理者が行う | ||
| サポーター1 | 親の日々のサポート、買い物 | ||
| サポーター2 | 親の話し相手、外出サポート |

あくまで介護支援専門員の経験、終活アドバイザーとして上記の内容があったらいいなと最低限のもので作成したものです。
エンディングノートは決まった形式はありません。無料が出しているエンディングノートも参考にしてみてくださいね。

自分たちの想いで書くといろいろな意見がでてまとまりません。親の想いをもとに家族会議をしていきましょう。また、役割分担することで「何で私だけ。」とならずにすみます。笑顔で介護できるようにしていきましょう。
お金や相続で困ったら:相続診断士へご相談を
相続診断士の役割
相続はお金だけでなく、本人の意思も相続します。
生きてきて最後の後始末を「争族」しないで「笑族」していきましょうというものです。
【争族vs笑族】
争族:勝ち負けを争い、本人の想いが置き去りになる
笑族:最後のお見送りをして、本人は安心できる相続

相続診断士の役割を一言で言うと、「笑顔相続」をすること。
相続診断士を利用するメリット、デメリット
| メリット | デメリット |
| 感情が入ることなく、相続の整理整頓ができる。 | お金がかかる。 |
| 相続の揉め事なのか、税金のことなのか、土地のことなど、状況に合わせて専門機関に繋げてもらえる。 | お金がかかる。 |
相続診断士の相談先

相続診断士は、チェックリストとヒヤリングシートを活用します。
終わりに
親の介護が突然やってきた我が家はとても困りました。
話し合いはなし、役割分担もなし。
銀行・証券口座凍結など、お金にも困りました。
結果、一人の介護者に負担がいってしまいました。
前もってやっておけばよかったと後悔だけが残りました。
頑張ってきた本人のため、頑張っている家族のためにやっておくことをお勧めします。
家族の絆を大切に皆が笑顔でいられることを願っています。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。

準備をして、最後をめでたく締めくくっていきましょう!
「※本記事は一般的な事例を紹介しています。個別のケースについては、必ずお住まいの自治体の相談窓口や、弁護士・税理士などの専門家にご相談ください。」



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